なお、日新丸や海幸丸などの調査船が入港する大井水産埠頭は、国際条約(SOLAS条約)に基づく「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」により、国際埠頭施設の制限区域に指定されているため、関係者以外の立ち入りが禁止されており、マスコミによる随時の取材が認められていない。
そのため、27日(火)に農林水産省にて、調査団長、船長、水産庁漁業指導監督官等による共同記者会見を実施する予定である。
・クロミンククジラは、調査海域内に広く分布し、その発見数は前回の調査と同様であり、依然として高い資源水準を保っていることが示唆される。
・クロミンククジラは、ロス海(第X区南部東海域)で特に多数発見され、全クロミンククジラ標本(505頭)の66.1%にあたる334頭が、同海域から採集された。
これらの標本は、大半が雌(294頭、88%)であり、またその大部分が妊娠個体(242頭)であった。
このことは、クロミンククジラ、特に妊娠雌個体にとって、ロス海が重要な索餌場である可能性を示唆している。
・ザトウクジラやナガスクジラは、第X区の北部東海域及び第Y区北部海域で発見され、これらの体重を考慮して生物量(重量)で比較すると、ザトウクジラやナガスクジラの生物量はクロミンククジラのそれと比較しても、無視できない生物量となっており、これら3鯨種が南極海生態系において大きな消費者としての位置にあることが示唆される。
・今次調査においても、ナガスクジラの採集を試み、合計3頭のナガスクジラを採集した。
2回のJARPAII調査で採集したナガスクジラの平均体重は50.0トン(最大: 65.0トン)であった(これらの体長は平均19.6mで、最大21.2m)。
本調査で得られたナガスクジラの体重は、既報の値を大きく上回っており、同種の生物量がこれまで過少評価されていた可能性を示唆している。
また、このナガスクジラの餌生物がクロミンククジラと同様にナンキョクオキアミであったことから、オキアミを中心とする南極海生態系におけるナガスクジラの役割は、クロミンククジラと同様に重要であると考えられる。
・JARPAII調査では、ヒゲクジラ類の主要な餌生物であるナンキョクオキアミの資源調査も併せて実施している。
昨年までは、目視専門船において計量魚探による音響調査のみを実施したが、今次調査では、さらに小型中層トロール網(IKMT)による餌生物調査も実施した。
これらの調査から、ヒゲクジラ類と餌生物の関係並びに南極海生態系におけるヒゲクジラの役割解明に貢献することが期待される。
・また、今次調査では、調査海域内でシロガスクジラ1群並びにザトウクジラ14群の親子連れを確認した。
これらは、いずれも西経156度から160度までの沖合域で発見され、自然標識及びバイオプシー採取実験を実施した。
これらの解析により、両鯨種の回遊や生活史解明への貢献が期待される。
・シーシェパードによる環境テロ攻撃を受け(別添2)、また日新丸火災事故により調査の中断を余儀なくされたが(別添1)、調査中断によって未調査となった海域(第X区西側海域)を除けば、計画通り調査は実行され、所期の目的は達成された。