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鯨類の生物学的研究(2001年10月〜2002年9月)

南半球産ミンククジラ捕獲調査(JARPA)  
北西北太平洋産ミンククジラ捕獲調査(JARPN)及び第2期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNU)  
アセスメントのための目視調査航海  
その他の研究活動


その他の研究活動

(d.1) クロミンククジラの分類学的研究(加藤秀弘(遠水研)、藤瀬良弘)

1987/1989年から1992/1993年にかけてJARPAで採集された矮小型ミンククジラ16標本(雄;n=3、雌;n=13)と1987/1989年から1998/1999年に収集されたJARPAの目視情報を用いて、同様に南半球普通型で得られている膨大なデータと、形態学的および生態学的に比較検討することにより、両型の分類学的研究を行った。 結果の概要は第52回のIWC/SCに提出した(SC/52/OS3)。 その後、データの追加並びに再計算作業が終了し、現在投稿準備中である。

(d.2) ミンククジラの遺伝系統学的研究(ルイス・パステネ、後藤睦夫、上田真久、アレクサンドレ・ゼルビニ(アメリカ・ワシントン大学)、ダン・ケレム(イスラエル・ハイファ大学)、パー・パルスボール(アメリカ・カリフォルニア州立大学バークレー校))

カリフォルニア大学バークレー校、ワシントン大学との共同研究に基づき、世界中に分布するミンククジラを対象に、遺伝的変異性および系統遺伝学的関係を明らかにするためにmtDNA制御領域の塩基配列を解析した。 標本には南極海(普通型及び矮小型)、ブラジル(普通型及び矮小型)、西部及び東部北太平洋、韓国、中部及び東部北大西洋、および地中海イスラエル沿岸から採集された計467個体を用いた。 この研究に関して、2001年度ヨーロッパ鯨類学会年次会議で口頭発表を行った。 現在、雑誌Evolutionに投稿中である。

(d.3)ストランディングレコードの収集(石川 創)

当研究所では日本沿岸で漂着、迷入、混獲した海産哺乳類の情報をストランディングレコードとして収集し、「鯨研通信」上で公表すると共に、データベースの作成を行っている。 本年の記録数(2001年9月以前の事例を含む)はハクジラが22種243件、ヒゲクジラが5種135件、鰭脚類が7種35件、ラッコが1件であった。 データベースはこれまでに3,118件を蓄積し、その大部分は国立科学博物館のホームページ(http://svrsh1.kahaku.go.jp/index.htm)を利用してインターネットで検索が可能である。

(d.4) 日本の市場調査における鯨種判定(後藤睦夫、及川宏之)

遺伝的手法を用いて2001年の11月から12月にかけて日本各地の市場で購入したクジラ製品(381検体)の種判別を行った。 更に、2002年の5月と6月に購入した303検体についても現在種判定作業を行っている。

(d.5) JARPA目視資料のデータベース化と保管管理(松岡耕二、和田 淳)

JARPA目視資料(天候記録、努力量記録、目視記録、距離角度推定実験記録)は、入力、バリデーション作業の後、テキストファイル作成し、解析を終了した年から、英版記入要領と共に、IWCへの提出を行っている。 現在、1987/1988年から1995/1996年分までをIWC事務局に提出し、1996/1997年から2001/2002年分までのデータベース化を終了した。 また、1999/2000年から2001/2002年分の全目視資料記録用紙原本(上記4記録の他、各実験記録、氷縁記録を含む)の製本作業を行っている。
JARPN及びJARPNU目視資料については、1994年から2001年までの入力、バリデーション作業を行っており、1994年から2001年分の製本準備を行っている。

(d.6) 骨学的研究(藤瀬良弘、銭谷亮子、坂東武治)

名古屋港水族館の骨格標本展示に関する監修協力依頼の中で、昨年、マッコウクジラ及びキタトックリクジラの全身骨格標本の計測及び写真撮影を行い、骨学的データの収集を行った。 また、2000年JARPNUにおいて採集し、冷凍保存されていたマッコウクジラ及びニタリクジラ等の骨格標本は、昨年9月に鮎川実験場近辺の大谷川海岸に埋設した。 今年は、骨格に関する情報提供を行ったのみで、骨学的な研究の進展はなかった。

(d.7) 鯨類由来食品の有害化学物質によるヒト健康に及ぼす影響に関する研究(藤瀬良弘、加藤秀弘(遠水研))

平成13年度厚生科学特別研究事業「鯨類由来食品の有害化学物質によるヒト健康に及ぼす影響に関する研究」の分担研究者として参加した。 本研究は、有害化学物質(特にPCBsや水銀)について、鯨種や採取部位ごとに汚染濃度の調査及び加工された場合の濃度把握を行い、平均的な摂食量や地元地域の摂食の状況把握を行ってリスク評価と情報の提供を行うことを目的にしたものであり、現在取りまとめ作業が行われている。


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