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CITESにおけるダウンリスティング

日本は来る2000年4月10日から20日にかけてケニアの首都ナイロビで開催される第11回CITES締約国会議において、鯨類のダウンリスティング提案をおこないますが、その提案内容と根拠は次のとおりです。


1. 南氷洋ミンククジラと北西太平洋ミンククジラを付属書IからIIへ移行する

提案理由:ミンククジラは小型のヒゲ鯨の一種で、世界中に分布する。IWC科学小委員会は、南氷洋海域には76万頭、北西太平洋海域には2万5千頭のミンククジラが、生息していることに合意しており、科学的に資源状況が良好であることが確認されていることから、CITES付属書Iに掲載しておくことは不適当である。


2. 北東太平洋コククジラを付属書IからIIへ移行する

提案理由:コククジラは中型のヒゲ鯨の一種で、北太平洋の沿岸域に分布する。北東太平洋のコククジラは、1800年代、米国や欧州諸国による捕鯨により著しく資源が減少したが、第二次大戦後、IWCによる保護によって資源が回復した。現在の資源量は約2万1千頭とIWC科学小委員会は推定している。本年に入って数百頭のコククジラの死体が米国西岸にうちあげられ、その殆どが栄養不足の状態にあったとの報道がされている。
この事実は、この鯨種が環境収容能力の限界まで増加していることを裏付けている。さらに米国は、1994年にこのコククジラを絶滅危惧種法に基づく絶滅危惧種のリストから外している。
このように北東太平洋のコククジラは科学的にも資源状況が良好であることが確認されており、CITES付属書Iに掲載しておくことは不適当である。


過激な環境保護団体や動物愛護運動家は、象や鯨などを、その資源状況にかかわらず、シンボルに祭上げ、「人間が利用してはならない」動物に仕上げています。CITESはその手先になってはなりません。本来の使命を忘れず、資源が本当に危機にあるのかしっかりとした調査データに基づいて、その利用を規制すべきです。

第11回CITES締約国会議で、理性的、科学的議論が行われることを期待したいと思います。

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