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第11次北西太平洋鯨類捕獲調査で得られた調査副産物の販売について

平成16年11月19日
財団法人 日本鯨類研究所


1.販売数量

(財)日本鯨類研究所は、国際捕鯨取締条約第8条第2項に則り、


(1) 第11次北西太平洋鯨類捕獲調査で得られた調査副産物2,118.6トン(ミンククジラ100頭分、ニタリクジラ50頭分、イワシクジラ100頭分、マッコウクジラ3頭分の鯨肉等)を、下記の区分毎の数量で販売する。


(単位:トン)
ミンククジラ ニタリクジラ イワシクジラ マッコウクジラ
(1) 公益用 83.7 130.1 331.1 - 544.9
(2) 市販用 108.3 164.6 432.5 0.5 705.9
(3) 加工用 128.6 213.2 516.7 8.8 867.3
(4) 特殊規格品 0.5 0 0 - 0.5
321.1 507.9 1,280.3 9.3 2,118.6

市販用は、11月29日から1月3日までの期間に、それぞれ各都道府県の過去の消費実績と現時点での消費実態を考慮して算定される数量を、その卸売市場を通じて販売する。
なお、マッコウクジラ3頭分9.3トンのうち白手物類は全量加工向け。赤肉類については別途検討中。


(2) 釧路沖沿岸域鯨類捕獲調査で得られた調査副産物(ミンククジラ59頭分)の冷凍品39.5トン(白手物類)は、全量加工向けに販売する。 (なお、生鮮品赤肉約100トンはすでに網走、釧路、牡鹿、和田、太地の5市町及び全国の市場で販売した。)


2.販売価格

当研究所からの販売価格(卸売価格)は、中心となる規格のミンククジラ、イワシクジラ及びニタリクジラの市販用赤肉で1kgあたり2,400円に引き下げ、より広範な消費を図ることとした。また、その他の副産物についても、3鯨種ともに加工原料(胸肉3級、畝須、本皮、尾羽)を主体に第10次調査における価格に比し10%引き下げることとした。
なお、マッコウクジラの販売価格は別途設定する予定である。


3.取得金の利用方法

調査副産物を販売して得られる取得金は、明年の鯨類捕獲調査の実施費用に充当される。


4.適切な流通の確保

当研究所が販売するミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラ、マッコウクジラの鯨肉等は、政府の許可により実施される公的な性格を有する調査により得られた副産物であり、また、その供給量は需要に対して著しく少ない状況にある。 このような情勢を考慮し、国民各層に対して公平に、かつ可能な限り廉価で配分する必要があるとの観点に立って、有識者及び関係者からなる検討会にて販売のあり方等について鋭意検討を重ね、さらに、水産庁の指導を得ながら関係者とともに勉強会を開催した。 また、公正な販売を確保すべく農林水産省総合食料局流通課に流通関係者への指導を願うとともに、 当研究所も販売に関する説明会を開催して、より幅広く国民各層に鯨肉が適正な価格で公平に行き渡るよう努めている。


(参考)第11次北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)について

北西太平洋におけるミンククジラの系群構造の解明、及び、鯨類を含む複数の水産資源の一括管理を構築するための鯨類の摂餌生態の解明を主目的とした調査を実施した。 なお、第11次調査は平成16年6月10日から平成16年9月24日にかけて実施し、ミンククジラ100頭、ニタリクジラ50頭、イワシクジラ100頭、マッコウクジラ3頭の標本を採集した。
さらに、釧路を中心とした概ね半径30マイル内の沿岸域で、小型捕鯨船4隻を使用して捕獲調査を実施し、平成16年9月13日から平成16年10月31日にかけて、ミンク59頭の標本を採集した。


2004年北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)のプレスリリース(http://www.icrwhale.org/02-A-35.html)参照

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