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寄鯨調査事業

過去のストランディングレコード

日本鯨類研究所は1996年から日本沿岸における海産哺乳類のストランディング記録を行っており(図1)、漂着鯨類から採取した標本の記録・解析を通じて、その分布に関する情報を得ることを目的としています。 これら鯨類の標本に基づく遺伝子解析は、その分類学や系群構造の研究に貢献しています。


Figure8

図1. 漂着したオウギハクジラ(小型鯨類)の生物調査を行う日本鯨類研究所調査員。


当研究所は、研究者や行政職員、または一般市民からストランディング情報を受け付けており、その際には当研究所が作成・配布したストランディング記録票と手順に従って情報を提供してもらいます。また、新聞などその他の情報源からの情報も収集しています。ストランディングレ記録票と共に、遺伝子解析用の皮膚または筋肉のサンプルも提出してもらい、当研究所がDNA解析により種の同定を行います。詳細な記録票や手順は以下のリンクをご参照ください:

ストランディングレコード用紙 (PDFファイル)

1996年から2015年までのストランディングレコードは次のリンクで閲覧可能です:

ストランディングレコードデータ

ストランディング個体から得られたのデータや標本は、日本鯨類研究所のデータアクセスプロトコルに従い、関心のある研究者に提供可能になっています。

「大型鯨類座礁・漂着対応プロジェクト」(通称「寄鯨調査事業」)が2021年に開始されて以降は、日本鯨類研究所のストランディングレコードシステムは大型鯨類以外の海産哺乳類に焦点を当てています。


大型鯨類座礁・漂着対応プロジェクト(寄鯨調査事業)

2021年6月から「大型鯨類座礁・漂着対応プロジェクト」(通称「寄鯨(よりくじら)調査事業」)が開始されました。この寄鯨調査事業は上記のストランディングレコードシステムと類似した運営形態ですが、大型鯨類(ヒゲクジラ類、マッコウクジラおよびツチクジラ)に限定し、資源管理に有用なデータと標本の収集を重視しています。この業務は日本政府(農林水産省水産庁)が委託し、初年の2021年は日本鯨類研究所と日本水族館協会が実施主体となり、2022年以降は毎年水産庁よりICRに委託されています。

このプロジェクトの主目的は、ストランディングした大型クジラから生物学的標本を収集し、日本の鯨類資源管理の補完に役立てることです。実施主体の科学者は調査を行うために現場に駆け付け、対象個体から次のデータと標本を収集します(図2)。i)鯨種、ii)体長、iii)性別、iv)外部写真およびその他形態情報、v)卵巣または精巣(性成熟・繁殖状態判定用)、vi)歯、耳垢栓、眼球(年齢査定用標本)、vii)皮膚、皮下脂肪、筋肉(遺伝子および汚染物質分析用組織標本)およびviii)その他。

Figure9

図2. 「寄鯨調査事業」の一環として漂着したニタリクジラから標本を採取する日本鯨類研究所の調査員たち。


寄鯨調査事業開始当時、実施主体は関連県庁の担当者に対し、目的説明と協力依頼の文書を送付された。具体的に、ストランディング事案が発生した場合には都道府県の担当者が実施機関への連絡を求め、調査時のご協力をお願いしました。

また、実施主体は外部機関の科学者によるストランディング鯨類の調査を行う際、次の条件を定めています、i)外部研究者は寄鯨調査事業全体の目的に同意すること、ii)現場調査期間中は実施主体が指名する調査責任者の指揮下にあること、iii)外部研究者が追加標本採取や研究項目が希望される場合には申請・承認が必要で、追加費用は申請者負担になること、iv)取得した標本・データを商業目的で第三者に販売または譲渡してはならない、および v)実施主体はメディアの問い合わせなどに対応し、調査データを速やかに整理・公表しなければならない。

「寄鯨調査事業」によるストランディング事案は2021年以降、当研究所のホームページで公表されています(下参照))。

日本鯨類研究所のストランディングレコードシステムおよび寄鯨調査事業に基づく小型・大型鯨類のストランディング情報は、国際捕鯨委員会科学委員会(IWC SC)および北大西洋海洋哺乳類委員会科学委員会(NAMMCO SC)の年次会合に任意で進捗報告として提出されています。


資料

「寄鯨(よりくじら)調査事業の紹介」田村 力著. 鯨研通信507号. 2025/9.



寄鯨調査事業実施事案

令和8年度

(一財)日本鯨類研究所による寄鯨調査事業の取り組み (PDFファイル)



令和7年度

寄鯨調査の受付終了について(ご案内) (PDFファイル)


(一財)日本鯨類研究所による寄鯨調査事業の取り組み (PDFファイル)


速報

Y25-010  1月14日 ザトウクジラ 1頭 東京都京浜港で漂流があり、当研究所が1月26日に調査を実施しました。体長8.1メートル、オス個体でした。

Y25-009   1月14日 ザトウクジラ 1頭 福井県丹生郡越前町高佐の白浜(城崎)漁港船揚場に漂着があり、当研究所が1月15日に調査を実施しました。体長8.3メートル、メス個体でした。

Y25-008  11月18日 マッコウクジラ 1頭 茨城県ひたちなか市磯崎町の海岸で漂着があり、当研究所が12月22日に調査を実施しました。体長4.4メートル、メス個体でした。

Y25-007  11月21日 ナガスクジラ 1頭(ヒゲ板色彩、背鰭形状等から判定) 茨城県鹿島港で漂流があり、当研究所が11月26日に調査を実施しました。体長17.15メートル、メス個体でした。

Y25-006  10月10日 マッコウクジラ 1頭(頭部形状、歯列等から判定) 茨城県神栖市で漂着があり、当研究所が10月15日に調査を実施しました。体長3.40メートル(残存部)、性別不明個体でした。

Y25-005  7月31日 マッコウクジラ 4 頭 千葉県館山市で漂着があり、当研究所が8月5日に調査を実施しました。体長14.00メートルのオス個体、13.50メートルのオス個体、12.80メートルのオス個体、体長および性別不明の個体でした。

Y25-004  5月27日 ザトウクジラ   1 頭 岩手県田野畑村で漂着があり、当研究所が6月2日に調査を実施しました。体長不明(残存部6.0m) 、オス個体でした。

Y25-003  5月8日 ザトウクジラ   1 頭 兵庫県淡路市大阪湾沖で漂流・混獲があり、当研究所が5月15日に調査を実施しました。体長10.30m 、オス個体でした。

Y25-002  4月22日 ザトウクジラ   1 頭 石川県鳳珠郡穴水町で漂着があり、当研究所が4月22日に調査を実施しました。体長8.61m 、メス個体でした。

Y25-001  4月1日 ミンククジラ   1 頭 北海道北斗市で漂着があり、当研究所が4月2日に調査を実施しました。体長3.34m、メス個体でした。


令和6年度

寄鯨調査の受付終了について(ご案内) (PDFファイル)


(一財)日本鯨類研究所による寄鯨調査事業の取り組み (PDFファイル)


速報

Y24-009  2月1日  ナガスクジラ   1 頭 長崎県平戸市生月町で漂着があり、当研究所が2月10日に調査を実施しました。体長13.4m、オス個体でした。

Y24-008  1月5日  ザトウクジラ  1 頭 千葉県南房総市千倉町で漂着があり、当研究所が1月22日、23日に調査を実施しました。体長9.85m、メス個体でした。

Y24-007  11月27日 ナガスクジラ  1 頭 北海道斜里郡斜里町で漂着があり、当研究所が12月9日に調査を実施しました。体長16.10m、オス個体でした。

Y24-006  10月30日 ナガスクジラ  1 頭 兵庫県神戸市で漂着があり、当研究所が 11月3日、7日に調査を実施しました。体長14.32m、メス個体でした。

Y24-005  10月29日 ミンククジラ  1 頭 北海道紋別郡湧別町で漂着があり、当研究所が11月1日に調査を実施しました。体長4.58 m、メス個体でした。

Y24-004  8月12日 マッコウクジラ 1 頭 岩手県下閉伊郡田野畑村で漂着があり、当研究所が8月21日に調査を実施しました。体長10.95m、性別不明個体でした。

Y24-003  7月10日 ミンククジラ  1 頭 北海道日高郡新ひだか町で漂着があり、当研究所が7月16日に調査を実施しました。体長4.57m、メス個体でした。

Y24-002  6月22日 ミンククジラ  1 頭 青森県東津軽郡外ヶ浜町で漂着があり、当研究所が6月25日に調査を実施しました。体長6.78m、オス個体でした。

Y24-001  4月24日 ナガスクジラ  1 頭 鳥取県東伯郡湯梨浜町で漂着があり、当研究所が5月7日に調査を実施しました。体長 13.5 m、オス個体でした。


令和5年度

寄鯨調査の受付終了について(ご案内) (PDFファイル)


(一財)日本鯨類研究所による寄鯨調査事業の取り組み (PDFファイル)


速報

Y23-015  3月9日 マッコウクジラ 1頭 茨城県神栖市で漂着があり、当研究所が3月13日に調査を実施しました。体長9.9m、メス個体でした。

Y23-014  3月8日 マッコウクジラ 1頭 千葉県長生郡白子町で漂着があり、当研究所が3月9日に調査を実施しました。体長11.58m、メス個体でした。

Y23-013  2月28日 ナガスクジラ 1頭 福井県福井市での漂流個体を当研究所が2月29日に調査を実施しました。体長不明(残存部最大長約3.4m)、性別不明個体でした。

Y23-012  2月19日 マッコウクジラ 1頭 大阪府堺泉北港での漂流個体を当研究所が2月22日に調査を実施しました。体長15.00m、オス個体でした。

Y23-011  2月18日 ミンククジラ 1頭 北海道北斗市で漂着があり、当研究所が2月19 日に調査を実施しました。体長7.01m、オス個体でした。

Y23-010  2月13日 ザトウクジラ 1頭 千葉県南房総市で漂着があり、当研究所が2月15日に調査を実施しました。体長9.00m、メス個体でした。

Y23-009  1月15日 ザトウクジラ 1頭 千葉県南房総市で漂着があり、当研究所が1月18日に調査を実施しました。体長10.11m、メス個体でした。

Y23-008 12月18日 ザトウクジラ 1頭 千葉県南房総市で漂着があり、当研究所が12月25日に調査を実施しました。体長9.02m、メス個体でした。

Y23-007 11月25日 マッコウクジラ 1頭 茨城県高萩市で漂着があり、当研究所が11月27日に調査を実施しました。体長2.81m、オス個体でした。

Y23-006 11月15日 セミクジラ 1頭 北海道斜里郡斜里町で漂着があり、当研究所が11月16日に調査を実施しました。体長8.49m、メス個体でした。

Y23-005 10月18日 ナガスクジラ 1頭 東京都東京港で漂着があり、当研究所が10月22日に調査を実施しました。体長10.20m、オス個体でした。

Y23-004 10月10日 ザトウクジラ 1頭 北海道日高郡新ひだか町で漂着があり、当研究所が10月13日に調査を実施しました。体長6.63 m、オス個体でした。

Y23-003 6月10日 ミンククジラ 1頭 北海道目梨郡羅臼町で漂着があり、当研究所が6月12日調査を実施しました。体長8.03m、メスの個体でした。

Y23-002 5月22日 マッコウクジラ 1頭 北海道厚岸郡浜中町で漂着があり、当研究所が5月24日調査を実施しました。全長8.05m、オスの個体でした。

Y23-001 4月14日 ニタリクジラ 1頭 千葉県南房総市で漂着があり、当研究所が4月14日に調査を実施しました。体長 10.9m、性別不明個体でした。


令和4年度

寄鯨調査の受付終了について(ご案内)(PDFファイル)


(一財)日本鯨類研究所による寄鯨調査事業の取り組み (PDFファイル)


速報

Y22-010 1月9日 マッコウクジラ 1頭 阪神港大阪区で漂着があり、当研究所が1月18日調査を実施しました。全長15.98m、オスの個体でした。

Y22-009 12月13日 ザトウクジラ 1頭 茨城県北茨城市で漂着があり、当研究所が12月15日に調査を実施しました。体長 11.66m、メス個体でした。

Y22-008 10月4日 ニタリクジラ 1頭 大分県別府市で漂着があり、当研究所が10月10日に調査を実施しました。体長 10.21m、オス個体でした。

Y22-007 9月20日 ミンククジラ 1頭 北海道様似郡様似町で漂着があり、当研究所が 9月23日に調査を実施しました。体長 5.05m、オス個体でした。

Y22-006 7月5日 ミンククジラ 1頭 北海道目梨郡羅臼町で漂着があり、当研究所が7月6日に調査を実施しました。体長 5.66m、メス個体でした。

Y22-005 6月23日 マッコウクジラ 1頭 愛媛県宇和島市で漂着があり、当研究所が7月1日に調査を実施しました。体長 9.5m(残存部の最大長)、オス個体でした。

Y22-004 6月15日 ザトウクジラ 1頭 北海道目梨郡羅臼町で漂着があり、当研究所が6月17日に調査を実施しました。体長 8.62m、オス個体でした。

Y22-003 6月13日 ミンククジラ 1頭 山口県長門市で漂着があり、当研究所が6月14日に調査を実施しました。体長 5.11m、オス個体でした。

Y22-002 4月25日 マッコウクジラ 1頭 長崎県松浦市で漂着があり、当研究所が4月28日に調査を実施しました。体長 12.4m、オス個体でした。

Y22-001 4月11日 マッコウクジラ 1頭 静岡県賀茂郡南伊豆町で漂着があり、当研究所が4月14日に調査を実施しました。体長 4.58m、性別不明個体でした。


令和3年度

寄鯨調査の受付終了について(ご案内)(PDFファイル)


寄鯨調査事業の概要 ((一財)日本鯨類研究所および(一社)日本水族館協会)(PDFファイル)


寄鯨調査事業への協力依頼について(お願い)【都道府県寄鯨ご担当者様宛】 (PDFファイル)

寄鯨調査事業への協力依頼について(お願い)【全国漁業協同組合連合会様宛】(PDFファイル)


速報

Y21-012 2月25日 ザトウクジラ 1頭 高知県大月町竜ヶ迫漁港で漂着があり、当研究所が3月8日調査を実施しました。体長8.09m、オスの個体でした。

Y21-011 1月9日 ナガスクジラ 1頭 福井県敦賀市敦賀港で漂着があり、当研究所が1月19日調査を実施しました。体長11.54m、メスの個体でした。

Y21-010 12月14日 ニタリクジラ 1頭 愛知県名古屋市名古屋港で漂着があり、当研究所が12月22日調査を実施しました。体長11.66m、メスの個体でした。

Y21-009 11月6日 ミンククジラ 1頭 北海道北海道野付郡別海町尾岱沼7番地 地先で漂着があり、当研究所が11月6日調査を実施しました。体長7.48m、オスの個体でした。

Y21-008 9月30日 ミンククジラ 1頭 青森県下北郡東通村尻労で漂着があり、当研究所及び日本水族館協会が10月5日調査を実施しました。体長6.08m、オスの個体でした。

Y21-007 9月16日 ニタリクジラ 1頭 北海道苫小牧苫小牧港で漂着があり、当研究所及び日本水族館協会が9月17日調査を実施しました。体長13.10m、メスの個体でした。

Y21-006 9月14日 マッコウクジラ 1頭 神奈川県小田原市前川で漂着があり、9月14日調査を実施しました。体長15.76m、オスの個体でした。

Y21-005 8月24日 ニタリクジラ 1頭 和歌山県和歌山市下津港で漂着があり、8月28日調査を実施しました。体長11.05m、オスの個体でした。

Y21-004 8月16日 イチョウハクジラ 1頭 千葉県長生郡白子町で漂着があり、同日に調査を実施しました。体長4.80m、メスの個体でした。

Y21-003 8月1日 ニタリクジラ 1頭 北海道苫小牧苫小牧港で漂着があり、8月2日調査を実施しました。体長13.09m、メスの個体でした。

Y21-002 7月18日 ミンククジラ 1頭 和歌山県東牟婁郡太地町森浦で漂着があり、7月19日調査を実施しました。体長6.02m、オスの個体でした。

Y21-001 7月8日 ニタリクジラ 1頭 大阪湾に流入があり、7月12日調査を実施しました。体長11.21m、オスの個体でした。


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