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鯨類資源調査


特別許可による鯨類捕獲調査計画以外のICR調査概要

北太平洋 

国内の目視専門調査

日本は、1980年代から遠洋水産研究所(FRI)を通じて、北西太平洋において大型鯨類の種ごとの資源量を推定することを主目的として、目視専門調査を実施してきました。1995年以降は、日本鯨類研究所(ICR)が、特別許可捕獲調査計画の一環として目視専門調査を継続してきました。これは、資源量推定値が、特別許可捕獲調査計画の評価および生態関連の研究目的を達成するために必要とされていたからです。

2019年まで、日本はICRを通じて、国際捕鯨委員会科学委員会(IWC SC)と緊密に連携し、調査の計画策定や調査結果、資源量推定値の議論を行ってきました。実際、日本の調査および分析作業は、IWC/SCによって策定されたガイドラインに従って実施されてきました。日本は2019年6月30日をもってIWCから正式に脱退しました。この決定の影響により、特別許可捕獲調査計画の一部であった「新北西太平洋鯨類科学調査計画(NEWREP-NP)」は日本政府(GOJ)によって中止されました。しかし、IWC脱退後の2019年、日本はICRを通じて、IWC/SCのガイドラインに従って北太平洋における目視専門調査を継続することを決定しました。これは、資源量を推定するための目視データの収集が、これまでIWC/SCによる大型鯨類の保全と管理に貢献してきたという理由に基づいています。

資源量推定のための目視データ収集という主目的以外にも、目視専門船は鯨類およびその生息環境に関するさまざまなデータ収集のプラットフォームとして利用されています。

図1は、北太平洋中西部における日本の目視調査に従事する専門調査船の例と、あらかじめ決められたトラックラインに沿ってクジラが目視された例を示しています。


Figure1-1

Figure1-2

図1. 目視専門船(上)と、北太平洋の目視調査における調査トラックラインに沿ったナガスクジラの目視実績例(下)。


目視専門調査は毎年、主に春から夏にかけて、ヒゲクジラ類の摂餌海域や回遊経路で実施されます。調査海域は通常、北緯30度以北、西経155度以西の中央および西部北太平洋の海域を含みます。

使用される調査船には、ライン・トランセクト法(Line Transect Method)による目視データの収集に必要な機器や装備が備えられており、この手法は野生生物の資源量推定に一般的に使用されています。これが調査の主な研究活動となります。また、乗船中の科学者は船長や乗組員の協力を得ながら、DNA研究のためのバイオプシーサンプル採取(系群構造の研究)、写真識別および衛星追跡(分布・移動・資源構造の研究)、鯨類の生息環境理解のための海洋観測や鯨類の数の把握や写真測量研究のためのドローン調査などの調査活動にも従事しています。

北太平洋中西部における目視専門調査の優先対象種は、日本の排他的経済水域(EEZ)内で日本の商業捕鯨対象となっている種(ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラ、ナガスクジラ)です。これらの種の資源量推定および資源構造は、捕獲可能量の算出を目的とした管理手順の適用に不可欠な情報です。また、調査では、非捕獲対象種(北太平洋のシロナガスクジラ、ザトウクジラ、セミクジラなど)についても同様の情報を収集しており、これらの種については、その状態や資源量動向をモニターするうえで重要な情報となります。

通常、日本鯨類研究所から1〜2名の経験豊富な研究者が参加し、熟練した船長および乗組員による支援を受けながら実施されます。

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